所長
田中勝博(たなかまさひろ/目白大学名誉教授)
プロフィール
まず、はじめに私の簡単な自己紹介をさせていただきます。目白大学において、心理カウンセリング学科と臨床心理学専攻(大学院)の教授を22年間勤め、目白大学名誉教授の称号を得ています。大学では絵画療法・芸術療法の講座で、主として絵画療法の講座を22年間担当してきました。臨床心理学専攻の大学院では、心理査定の講座を担当し、絵画療法を用いた関与方法や絵の読み解き方などを伝授してきました。また、絵画療法の研究では、「卵画」や「洞窟画」、「修正版・今と将来法」など絵画療法のいくつかの技法の開発やカウンセリングで描かれた描画に対する関与方法である描画後質問(Post Drawing Interview:描画後の対話)に関する研究を行ってきました。すいどうばし絵画療法研究所では、絵画療法に関する知見を深め、絵画療法の技術をカウンセリングにどのように活かしていくかについて皆さんと共に学べる場にしていくつもりです。
また、すいどうばし絵画療法研究所のカウンセリングルームでは、言葉にできない感情やどうしようもできない想いを無理に話す必要はありません。これまで、私は言葉だけでは届かない領域や心の内面の表現に関心を持ち、そのような領域に向き合ってきました。カウンセリングは「話せないこと」を尊重することが大切です。沈黙や迷いも、そのまま尊重したいと思っています。すいどうばし絵画療法研究のカウンセリングルームでは無理に話すことを求めません。必要に応じて絵を使ったアプローチを行います。対話に加えて、カウンセリングに絵画療法を取り入れ、言葉にならない心にも丁寧に向き合っていくつもりです。どうぞよろしくお願いします。
学位
筑波大学大学院教育研究科カウンセリング専攻修了(教育学修士)
専門領域
絵画療法、芸術療法、人間学的心理療法、力動的心理療法
資格など
1.臨床心理士(第00411号)
2.芸術療法士(第000175号)
3.日本芸術療法学会理事(事務局長)
所属学会
1.日本芸術療法学会
2.日本心理臨床学会
受賞歴
1.2002年 韓國美術治療學会より学会特別功労賞を授与(設立10周年記念大会)
2.2017年 日本芸術療法学会より学会賞の授与
略歴
神奈川県の児童相談所時代と目白大学心理カウンセリングセンター時代から今日までのカウンセリング経験は48年になります。略歴は以下の通りです。
1.1978年~2001年 神奈川県心理職
神奈川県の心理職として、神奈川県中央児童相談所の12年間を筆頭に、厚木児童相談所、相模原児童相談所、神奈川県立ゆうかり園などの心理職を23年間務める。児童相談所時代、多くの児童虐待事例への介入から虐待を受けた子どもの心理療法までを行い、不登校ケースのカウンセリングや学校訪問による学校コンサルテーションも行ってきた。
2.2001年~2023年 目白大学
目白大学で心理カウンセリング学科と臨床心理学専攻(大学院)の教授を22年間勤め、目白大学名誉教授の称号を得ている。同時に、目白大学心理カウンセリングセンターで専門相談員として勤務し、学生相談室長、センター長&臨床心理相談室長(外来部門)を兼務しカウンセリングセンター長を10年ほど務めた。目白大学心理カウンセリングセンターでは、主に青年期から成人の適応障害や自己愛障害、うつ病などさまざまなカウンセリングや絵画療法を行ってきた。
3.2001年~現在
(社福法人)児童養護施設・唐池学園の心理療法士およびスーパーヴァイザー
4.2023年4月~2026年4月まで
ときわカウンセリングオフィス顧問および専任カウンセラー
(社福法人)滝乃川学園 相談支援センターみなも 臨床心理士&芸術療法士
5.2026年6月~ すいどうばし絵画療法研究所&カウンセリングルーム
すいどうばし絵画療法研究所&カウンセリングルームを開設し、絵画療法の研究および絵画療法セミナーやワークショップなどによって絵画療法の知識・技術の提供と普及を行う。より深く学びたい方には絵画療法やケースについてのスーパーヴァイズを行う。また、希望者にはカウンセリングを提供する。
業績
著作(分担執筆)
1.いじめ問題にどう取り組むか-これからの心の教育をめぐって-.文溪堂,1998.
第4章 いじめを助長する子ども・大人たち、1) 正義は心の声に従う、2)いじめにおける大人の問題
2.カウンセリング・プロセス・ハンドブック.金子書房,2004.
Ⅲ部7章 ②絵画療法によるカウンセリングのプロセス
3.ナラティヴと心理療法.金剛出版,2008.
第5章描画とナラティブ
4.Handbook of Art Therapy.Guilford Publications,2011.
Chapter 11「Drawing and Storytelling as Psychotherapy with Children.(高田円 Urhausenとの共著)
翻訳(監訳)
1.被虐待児のアートセラピー -絵からきこえる子どものメッセージ-.金剛出版,2002.
2.ナラティブ心理学セミナー―自己・トラウマ・意味の構築.金剛出版,2009.
論文
1.心理臨床家の心のなかの傷ついた子ども.心理臨床,Vol.2(1),50-55.星和書店1989
2.なぐりがきと〈ものがたり〉. 臨床描画研究Ⅶ,147~165頁.金剛出版.1992.
3.心理臨床におけるライフヒストリー -心理療法的対話としての物語り-.季刊 ソーシャルワーク研究Vol.18(3),157~162頁.相川書房.1992.
4.スクィグル法の実際. 臨床描画研究Ⅷ,19-34.金剛出版.1993.
5.卵画と洞窟画. 臨床描画研究Ⅹ,151-167・金剛出版.1995.
6.イメージ表現を用いた思春期不登校児の心理療法過程. 神奈川県児童相談所研究紀要No.9,3-41.1996.
7.LDへの心理言語的アプローチからアートセラピーへ. 現代のエスプリ (398), 208-217.至文堂.2000.
8.思春期ジェンダー障害のアートセラピー -描画が導くnarrativeの意義について.目白大学人間社会学部研究紀要創刊号,85~103.2001.
9.非行を対象としたスクウィグル. 臨床精神医学・増刊号,135-143.アークメディア.2001.
10.卵画と洞窟画の基礎研究(1).目白大学人間社会学部研究紀要第3号,77-96.2003.
11.絵画療法における子どもとの対話.女子教育No26,目白大学短期大学部女子教育研究所所報,26-31.2003.
12.子どもが生きるカウンセリング技法(22)絵画療法. 児童心理 57(12), 165-155.金子書房.2003.
13.絵画療法における「新鮮な驚き」.児童心理 59(17), 1674-1677金子書房.2005.
14.描画とナラティブ-絵が語るもの. 臨床心理学6巻1号,101~106.金剛出版.2006.
15.円枠家族画法における大学生の母子イメージに関する研究.目白大学カウンセリングセンター年報第4号,45-53.2006.(宇田川香織との共著)
16.誘発線法の反応特徴に関する研究 - MMPI, SDS,印象評価との関連を通して-.目白大学心理学研究 3, 27-39.2007.
17.心理療法における道連れとしての描画法―描画療法における渾然一体化 について. 臨床描画研究22巻,2-11.北大路書房.2007.
18.アートとしての教育相談.児童心理 61(18), 47-53.金子書房.2007.
19.卵画と洞窟画における印象分析に関する研究.目白大学心理学研究 4, 49-61.2008.
20.スクィッグルにおける波長合わせの研究-修正版ウィニコット法作成の試み.臨床描画法研究24,98-114.北大路書房.2009.(高間しのぶtおの共著)
21.卵画と洞窟画における描画後質問(PDI)の作成に関する研究. 目白大学心理学研究 8, 1-14.2012.
22.描画体験の評価に関する尺度の作成の試み.目白大学心理学研究 8, 23-33.2012.(土田恭史らとの共著)
23.人物二人法の描画表現における対象関係論的検討. 日本芸術療法学会誌 43(2),27-37.2012.(大川ふみとの共著)
24.修正版 「今と将来」法の個別臨床場面導入へ向けた探索的研究.臨床描画研究,29,84-103.北大路書房.2014.(藤田彩恵子との共著)
25.今と将来」法による描画後体験や気分感情へ 及ぼす影響に関する研究. 目白大学心理学研究 11, 29-39.2015.(土田恭史らとの共著)
26.橋画(Bridge Drawing)の描画特徴とその評価に関する研究.日本芸術療法学会誌 47(1), 71-79.2016.
27.「今と将来」法における反応パターン分類に関する研究 -同一性と自我機能の観点より-.日本芸術療法学会誌 48(1), 80-87.2017.(土田恭史との共著)
28.HTP法における全体的印象の特徴およびその自己評価と他者評価のズレに関する研究. 日本芸術療法学会誌 48(2), 68-77.2018.(瀬戸口智裕との共著)
顧問
高江洲義英(たかえすよしひで/いずみ病院理事長・芸術療法士・音楽療法士・精神保健指定医)
日本芸術療法学会創設メンバー5人のうちの一人であり、日本における芸術療法のパイオニアで前日本芸術療法学会理事長。日本の精神病院において、いち早く精神科治療に絵画療法、音楽療法、心理劇、園芸療法などのさまざまな芸術療法を患者の治療に取り入れ、積極的に芸術療法の治療の実践と普及を行ってきた。沖縄に1985年に開設したいずみ病院は病院全体が芸術療法の玉手箱のように構築されており、世界中から多くの見学者が訪れている。50年以上のキャリアの中で多くの芸術療法家を育て、日本の芸術療法のバックボーン的存在。
受賞歴
1.日本芸術療法学会賞
2.日本文化デザイン大賞
3.沖縄文化協会賞
