すいどうばし絵画療法研究所のはじめましてのご挨拶をしたいと思います。大学の職を70歳で辞して3年が過ぎ、舎弟がこの四月で第二の人生の仕事を辞めると言うので、私もそろそろ店じまいの準備を始める頃かと思いはじめていました。それで、弟と二人で20年ぶりに故郷の舞鶴にることにしていたのが4月の末でした。
そんなおり、ご縁があったのでしょうか、研究所のある本郷の大東ビルの管理をしているワンツーホームの社長から「3階に使われていない部屋がある」と誘われ、見せてもらたらすごく素敵な空間でした。そして社長から、「先生ならオーナーが貸してくれるかもしれない」と言われ、思いきって開業することを決めました。オーナーが喜んで貸してくださるとのことで、またたく間に話が進みました。
5月の半ば過ぎに丹後地方から若狭地方への旅から帰ってきてから、研究所作りが始まりました。真っ白で何もない空間から研究所のイメージ作りを行い、配置する家具選びから購入、荷物の受け取りから開封そして設置まで約二ヶ月弱かかって研究所が完成しました。
絵画療法研究所の開設は、親しい友だちや教え子たちには伝えていましたが、日本芸術療法学会の仲間や専門家仲間にはできあがる前には話していませんでした。ただ、絵画療法の師匠である沖縄のいずみ病院理事長の高江洲義英先生だけにはいち早く水道橋で絵画療法の研究所を開設する話を伝えました。
高江洲先生はとても喜んでくださり、「君ね外堀通りと何故言うか知ってるかい?水道橋から御茶ノ水につながる神田川はね、昔、江戸城の外堀だったんだよ」と教えてくださりました。その話を聞いて、水道橋や神田川は高江洲先生が16歳から学ばれた御茶ノ水にある旧・東京医科歯科大学(現在の東京科学大学)での青春の思い出を彷彿させる懐かしい風景が宿っているのだと感じました。高江洲先生は顧問を快く引き受けてくださり、毎月でもセミナーが開催されれば教えるのだ、とまでおしゃってくださりました。
そんなこんなで7月(書類上は6月でした)にようやく、すいどうばし絵画療法研究所が開設できました。この研究所では、絵画療法や心理療法の知見、ケースの読み解き方や関与方法などについて臨床家のみなさんのお役に立てればと思っております。小さな研究所なので多くの方はお受けできませんが、絵画療法や心理療法、カウンセリングを希望される方のご相談にも応じるつもりです。
このすいどうばし便りでは、日ごろ感じていることや水道橋界隈で体験したこと、研究所での出来事など臨床とは少し離れた日常的なことを書いていきたいと思います。
